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連載SS第四十五話

フェイトが大事な用事をすませ中庭へと戻ってくるとそこには待っててもらっていたはずのギンガ、スバル、ティアナの姿が見当たらなかった―――

「ここで待ってて、って言った…よね……?違ったかな?」

フェイトは三人が一体何処に行ってしまったのかを考える。

「とにかく探さなきゃ…いけないよね」

ここでこうしていても始まらない…フェイトはとりあえず中庭を一回りしてみようと思い歩き始めた。

「そんなに遠くには行ってないはず………」

フェイトが歩いている途中、庭木の手入れをしている庭師の一人を見つけた―フェイトと目が合うと庭師は作業をやめペコリと頭を下げる。

「あぁ、丁度良かった。この辺で三人の女の子達を見かけなかったかな?」

「へぇ、見ましたけんど…」

「そう。どっちに行ったか分かる?」

あっちに駆けていきやした…と、庭師が指差した方へとフェイトは向きを変える。

「ありがとう。助かったよ」

庭師にニコリと微笑んで言うと被っていた帽子を胸元へと抱え庭師は深々と頭を下げた。

…あっちって何かあったかな?

フェイトは不思議に思いながらもその場所を目指した―――

「スバル良い子だから、ねっ?」

すっかり、なのはさんに懐いてしまったスバルをギンガさんがフェイトさんを待たせているのだから戻りましょう?ってさっきっからずっと説得してるのにスバルはその度に頭を左右に振ってガンとして聞き入れようとしない…のよねぇ……

「いつまでも、なのはさんのお仕事の邪魔しちゃ駄目でしょ?ね?」

「……なのはさん助かったって言ってた」

「そ、それはそうかも知れないけど…ほ、ほら、なのはさんにはまだやらなくちゃいけないお仕事とか――」

「なら、それも手伝う!!アタシ!何でもやるよっ?」

「…ス、スバル~?あんまり我がまま言っちゃダメだとお姉ちゃん思うんだけどな~?」

「そうよスバル。アンタなのはさんだけじゃなくてギンガさんまで困らせてどうすんのよ?ったく、小さな子供じゃあるまいし…いい加減大人になんなさいよね?」

「アタシまだ12才だもーん大人になんてなんなくってもいーんだよーっだ」

ティアナの言葉に反論し、なのはの後ろに隠れるようにしてサッと身を隠すスバル…あっかんべーも忘れない何とも子供らしい反発である……

くっ…こんの、くそがきっ!

ティアナの頭に血が上る寸前、なのはがまぁまぁと言ってスバルを背中にかくまうようにして庇った。

「えっと、私この後のお仕事ってあんまりもう無いですし…ギンガさんさえ良ければ…なんですがスバルはこちらでお預かりしてもいいですよ?」

「えっ…で、でも、ご迷惑じゃ……」

「ご迷惑とか無いですよ?スバルと一緒だと何だか私も楽しいですから」

「ギンガさん、そうさせてもらった方が良いんじゃないでしょうか?
このバカは聞きそうにもありませんし…あたしも一緒にいますから」

ギンガさんは私と目が合うとしばらく思案してそれから、なのはさんに向かって頭を下げた。

「すみませんなのはさん…スバルとティアナの事、宜しくお願いします。」

フェイトさんを待たせてしまっているかも知れないと思うとギンガは藁にも縋る思いだった…焦る気持ちと申し訳ない気持ちで一杯になりながら深く頭を下げていた。

「それじゃスバルお行儀良くしてるのよ?ティアナ、スバルが無茶しないようにちゃんと見ててね―?」

そうして手を振りながら元来た道を戻ろうとするギンガさん―

どんっ。

「きゃっ」

「っと、ちゃんと前を見ないと危ないよ?」

でも、それは前方不注意でギンガさんがぶつかってしまった人物に阻まれた――

「!?ふぇ、フェイト…さん///」

「探したよギンガ…こんな所に居たんだね」

私の目の前でにっこり微笑むフェイトさんに私は戸惑いを隠せなかった

「あ、あの///フェイトさんすみませんっ!」

とにかく頭を下げてフェイトさんに、ここまで探しに来させてしまった事を謝罪するしか今の私の頭には思い浮かばなかった――

「頭を上げてくれないかな?…謝らなくちゃいけないのは私の方、だから…」

「え…フェイト…さん?」

「遅くなってゴメン…こんなに待たせるつもりは無かったんだ…」

フェイトさんが咄嗟に支えてくれていた私の両肩をそっと撫でながら本当にごめんね?と困ったような表情を見せる。

「あ、いえ、そんな!悪いのは勝手にあの場所から動いてしまった私達の方ですし…フェイトさんの方こそ謝らないで下さい…」

「……それじゃお互い少しだけ悪かったって事にしようか?」

「は、はい!そう、ですね。そうしましょう///」

くすりと笑いあう私とフェイトさん…良かった…と私は安堵の息をついた。

「ぁ………」

その声に顔を上げるとフェイトさんが少し驚いたような顔をして私の後ろをジッと見つめているのが分かった。

「…なの、は」

頭上で響いたその声はとても優しい音で私がたった一度だけ聞いた事のあるあの時のフェイトさんの―――

「あっ!フェイトさん!ごめんなさい!!」

スバルがタタタターと駆け寄って来て深々とフェイトさんに向かって頭を下げた。

「あのっ、アタシが悪いんです!ギン姉とティアはアタシを探しに来てくれて!それでっ!」

一生懸命、訳を話そうとするスバルの頭をクシャリと撫でてフェイトさんは本当に優しい顔をして微笑んだ―

「スバル顔、あげてくれるかな?」

「?は、はい」

「私のこの顔、怒ってるようにみえる?」

「えと、見え…ません…」

「うん、そうだね。私は全然、怒ったりしてないしスバルが頭を下げるような事は何も無いんだよ?だから、ね…?」

優しく諭すようなフェイトさんにスバルはにこぉっと笑顔で答えた。

「うん、良い子だ。」

もう一度フェイトさんに頭を撫でられてスバルはえへへっ///と照れ笑いするとなのはさんの所へと駆け足で戻って行った―――

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