フェイトと不思議な館のなのは達06
「ねぇフェイトちゃん」
「何ですか?なのは…さん」
「なのは」
「え?」
「なのはって呼んでいいよ。後、敬語は無しね?」
「えと、でも…私の方が年下…ですから…」
目上の方には丁寧語、というのは家庭教師の教えだった。
「うーん。それじゃ年上の私からのお願いって事ならどうかな?」
「…う、うん。分かった…なの、はが…それで良いなら…」
そろそろとベッドの上に座っている年上のなのはの事を見上げると彼女はにっこりと笑って頷いてくれた――
「あ、そうだ。フェイトちゃん夜ご飯まだだよね?」
「う、うん…まだ、だけど…」
私が遠慮がちに答えるとなのははすっと立ち上がって手を差し出してきた―
「それじゃあ今夜は特別にフェイトちゃんの好きな物作ってあげるねっ」
「…う、う…ん」
なのはと手を繋いだ瞬間に訪れた一瞬の錯覚――
私はこの時と同じ体験を朝にもしていた事に気付く……
「…どのなのはも優しいね…」
「ん?何か言った?フェイトちゃん」
「ううん。何でもない」
フェイトが静かに首を横に振ると年上のなのははまた前に向き直って歩きだす…その横顔をちらちら見ながらフェイトは歩いていた。
…綺麗、だな///…
昼間見たなのはとは違って長くてさらさらの亜麻色の髪は今は全部おろされてて―腰元や肩で揺れる度とても良い香りがしてくるのはお風呂あがりだからだろうか?
「ふふっフェイトちゃん余所見、してると危ないよ?」
階段を下りてる途中なのはに言われた言葉にドキッとした。
「///ごっごめん!」
慌てて視線を逸らして階段を下りる私を見てなのはがクスリと笑う。
「フェイトちゃんって、可愛いね」
「///そ、そんな事―――」
なのはに向き直った瞬間―それは本当に一瞬の出来事だった。
唇の端に触れた柔らかな感触…間近にあった瞳は楽しそうに弧を描く―
何が起こったか理解するまでのたった数秒間、私の視界はなのはでいっぱいになった――
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