フェイトと不思議な館のなのは達02
「ここが君の部屋?」
「うんっ。そうだよ」
女の子らしい可愛い装飾が施されたその部屋…ベッドにはたくさんのヌイグルミ…真っ白な壁…高い天井…淡いピンク色のクッション……
「可愛い部屋だね」
「にゃはは///ありがとう」
ベッドの上に座って待ってて?という女の子の言葉通り待っていると、その子はしばらくしてカップとティーポットをトレイに乗せて戻って来てくれた。
こぽこぽ。
「はい、どうぞ」
女の子が一生懸命淹れてくれた紅茶にミルクとほんの少しの砂糖をいれ私は乾いた喉を潤した。
「うん、美味しいよ」
私がそう言うとその子はニッコリと笑って―私の隣に座った。
「君の名前は?」
「なのは」
「そっか…なのはって言うんだ…いい名前だね。私はフェイト、フェイトでいいよ」
「フェイト、ちゃん?」
「うん、そうだよ。なのは」
「フェイトちゃん」
「うん。なのは」
私達はお互いの名前を呼び合って笑って―それから――
「なのははここに一人で住んでるの?」
「…うん、多分そうなのかな?」
多分?それってどういう事なんだろう?
「なの」
「あ、そうだ。今夜は遅いしもう寝よう?フェイトちゃん」
「う、うん…」
あんまり聞かれたくないみたいだね…無理に聞き出すのも悪いし…
「そうだね…寝ようか」
なのはのベッドに二人してもぐりこむと私達は顔を向かい合わせたまま…その日の夜は早く眠りについた――
翌朝、目が覚めると一緒に眠っていたはずのなのはが居ない……
「なの、は?」
ベッドの中、部屋のすみずみまで探したけどなのはは居なかった…
「なのはー?」
屋敷の中を見て回る…それでもなのはは全然、見つからなかった……
もしかして外で遊んでるのかな?
屋敷の周りの庭を探して見る、すると白い木で出来た温室のような場所がある事に気がついた――
かたん。
「なのは…居る、の…?」
温室の中、木々や花々を掻き分けて進んでゆくと1本の大きな木の下の緑の上ですやすやと眠っている少女の後姿を見つけた―
「う、ん……」
そっと近づくと寝返りをうったその少女の瞼がゆっくりと持ち上がってゆく…
え?
まるで昨日の夜会った女の子…なのはが成長して大きくなったようなその容姿に思わず息をのんだ――
「あなたは…誰、なの…?」
その少女が目をぱちくりさせながら不思議そうな顔でこっちを見てる……
「あ、えっと別に怪しい者じゃなくて…昨日、道に迷ってそれで―」
フェイトがあたふたしながら説明を始めるとゆっくりと体を起こしたその子がにっこりと微笑んだ。
「そう、道に迷っちゃったんだ…それは大変だったね」
「う、うん///」
自分と同じ年くらいの見た目のその少女の笑顔に、どきっとしてしまった。
「あ、あの君の名前…教えて、くれるかな…?」
フェイトがどきまぎしながら言うとその子はにっこりと笑った。
「なのはだよ」
「え…?」
「聞こえなかったかな?なのはって言うの。私の、名前」
「君も…なのは…なの…?」
「うん。そうだよ」
どういう…事?昨日会ったあの子もなのはで…今日会ったこの子も…なのは……
「お名前…教えてくれないのかな?」
考え事をしていたフェイトの前でなのはが困ったように微笑む。
「あ、ご、ごめん!フェイト。フェイト・テスタロッサ・ハラオウン」
「うん。それじゃあ、フェイトちゃんって呼ぶねっ」
これから宜しくねって微笑むなのはから私は…目が逸らせなかった…
こんなに胸が高鳴るのは私にとって初めての事だった――
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